令和3年 労災 第7問解答解説

労災

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R3 問7

上肢作業に基づく疾病の業務上外の認定基準(平成 9 年 2 月 3 日付け基発第 65 号)によれば、⑴上肢等に負担のかかる作業を主とする業務に相当期間従事した後に発症したものであること、⑵発症前に過重な業務に就労したこと、⑶過重な業務への就労と発症までの経過が、医学上妥当なものと認められることのいずれの要件も満たし、医学上療養が必要であると認められる上肢障害は、労働基準法施行規則別表第 1 の 2 第 3 号 4 又は 5 に該当する疾病として取り扱うこととされている。この認定要件の運用基準又は認定に当たっての留意事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 「相当期間」とは原則として 6 か月程度以上をいうが、伳鞘炎等については、作業従事期間が 6 か月程度に満たない場合でも、短期間のうちに集中的に過度の負担がかかった場合には、発症することがあるので留意することとされている。

B 業務以外の個体要因(例えば年齢、素因、体力等)や日常生活要因(例えば家事労働、育児、スポーツ等)をも検討した上で、上肢作業者が、業務により上肢を過度に使用した結果発症したと考えられる場合に、業務に起因することが明らかな疾病として取り扱うものとされている。

C 上肢障害には、加齢による骨・関節系の退行性変性や関節リウマチ等の類似疾病が関与することが多いことから、これが疑われる場合には、専門医からの意見聴取や鑑別診断等を実施することとされている。

D 「上肢等に負担のかかる作業」とは、⑴上肢の反復動作の多い作業、⑵上肢を上げた状態で行う作業、⑶頸部、肩の動きが少なく、姿勢が拘束される作業、⑷上肢等の特定の部位に負担のかかる状態で行う作業のいずれかに該当する上肢等を過度に使用する必要のある作業をいうとされている。

E 一般に上肢障害は、業務から離れ、あるいは業務から離れないまでも適切な作業の指導・改善等を行い就業すれば、症状は軽快し、また、適切な療養を行うことによっておおむね 1 か月程度で症状が軽快すると考えられ、手術が施行された場合でも一般的におおむね 3 か月程度の療養が行われれば治ゆするものと考えられるので留意することとされている。

E

一肢ごとの詳しい解説

20年ほど前の基発で、いわゆるパソコン作業による腱鞘炎や肩こりなどの基準、上肢作業に基づく疾病の業務上外の認定基準について というのが厚労省のホームページ内にあり、具体的にどういった時にどう扱うのかを網羅的に書いてあったりするんですよね。

今回の出題の文言はあくまでその中からの抜粋で、エッセンシャル版的なものとして押さえつつ、過去問題の中にありがちな認定基準から類推していかねばならないやつですね。

A 「相当期間」とは原則として 6 か月程度以上をいうが、伳鞘炎等については、作業従事期間が 6 か月程度に満たない場合でも、短期間のうちに集中的に過度の負担がかかった場合には、発症することがあるので留意することとされている。 ○

6ヶ月以内でも、直近の月の平均・通常の業務量よりおおむね10%以上業務量が増加し、その状態が発症直前3か月程度にわたる場合であったり、業務量が一定にならず1日の業務量が通常の業務量のおおむね20%以上増加するのが10日くらい続くなど、でも過度の負担といったりするそうです。基本的な期間としては6ヶ月、です。

へ~知らなかったー ってくらいの話ですが、参考程度に。

B 業務以外の個体要因(例えば年齢、素因、体力等)や日常生活要因(例えば家事労働、育児、スポーツ等)をも検討した上で、上肢作業者が、業務により上肢を過度に使用した結果発症したと考えられる場合に、業務に起因することが明らかな疾病として取り扱うものとされている。 ○

当たり前のようなことを当たり前に書いてありますね。素直に正しいと思うしかないヤツ。

C 上肢障害には、加齢による骨・関節系の退行性変性や関節リウマチ等の類似疾病が関与することが多いことから、これが疑われる場合には、専門医からの意見聴取や鑑別診断等を実施することとされている。 ○

仕事以外の要因が上肢障害に影響していそうだったら、お医者さんの意見を聴いて労災か判断しましょうってことです。正しいっぽいから○にするしかないヤツかも。

D 「上肢等に負担のかかる作業」とは、⑴上肢の反復動作の多い作業、⑵上肢を上げた状態で行う作業、⑶頸部、肩の動きが少なく、姿勢が拘束される作業、⑷上肢等の特定の部位に負担のかかる状態で行う作業のいずれかに該当する上肢等を過度に使用する必要のある作業をいうとされている。 ○

上肢などに過度の負担がかかる作業の定義ですね。パソコン作業の腱鞘炎をまどろっこしく文字で表現するとこうなるみたいな感じですかね。この労災基準以降、腰痛なども労災で認められやすくなったともいいますので、なんとなく覚えておいても良い問題なのかも知れません。

E 一般に上肢障害は、業務から離れ、あるいは業務から離れないまでも適切な作業の指導・改善等を行い就業すれば、症状は軽快し、また、適切な療養を行うことによっておおむね 1 か月程度で症状が軽快すると考えられ、手術が施行された場合でも一般的におおむね 3 か月程度の療養が行われれば治ゆするものと考えられるので留意することとされている。 ×

適切な療養を行うことでおおむね3ヶ月程度 で軽快

手術が施された場合ではおおむね6ヶ月程度 で治癒する

早く復帰させようとするブラック経営者の定義か!と突っ込めれば誤りとわかったかも?

そんなに早く復帰させるの?治ったってことにするの?と感覚的に思わないといけないので、多くの事例や一般常識的な部分に触れていかねばいけないですね。現実的な実務の場では、あくまで、○ヶ月程度、とあるので、プラスマイナス1ヶ月程度は個人差が影響して職場復帰のタイミングがずれることもあるので、留意しておきましょう

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