令和3年 労災 第2問解答解説

労災

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R3 問2 通勤災害になるか否か

通勤災害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A  3 歳の子を養育している一人親世帯の労働者がその子をタクシーで託児所に預けに行く途中で追突事故に遭い、負傷した。その労働者は、通常、交通法規を遵守しつつ自転車で託児所に子を預けてから職場に行っていたが、この日は、大雨であったためタクシーに乗っていた。タクシーの経路は、自転車のときとは違っていたが、車であれば、よく利用される経路であった。この場合は、通勤災害と認められる。

B 腰痛の治療のため、帰宅途中に病院に寄った労働者が転倒して負傷した。病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、負傷した場所はその病院から駅に向かう途中の路上であった。この場合は、通勤災害と認められない。

C 従業員が業務終了後に通勤経路の駅に近い自動車教習所で教習を受けて駅から自宅に帰る途中で交通事故に遭い負傷した。この従業員の勤める会社では、従業員が免許取得のため自動車教習所に通う場合、奨励金として費用の一部を負担している。この場合は、通勤災害と認められる。

D 配偶者と小学生の子と別居して単身赴任し、月に 1 ~ 2 回、家族の住む自宅に帰っている労働者が、 1 週間の夏季休暇の 1 日目は交通機関の状況等は特段の問題はなかったが単身赴任先で洗濯や買い物等の家事をし、 2日目に家族の住む自宅へ帰る途中に交通事故に遭い負傷した。この場合は、通勤災害と認められない。

E 自家用車で通勤していた労働者Xが通勤途中、他の自動車との接触事故で負傷したが、労働者Xは所持している自動車運転免許の更新を失念していたため、当該免許が当該事故の 1 週間前に失効しており、当該事故の際、労働者Xは、無免許運転の状態であった。この場合は、諸般の事情を勘案して給付の支給制限が行われることはあるものの、通勤災害と認めら
れる可能性はある。

C

一肢ごとの詳しい解説

A  3 歳の子を養育している一人親世帯の労働者がその子をタクシーで託児所に預けに行く途中で追突事故に遭い、負傷した。その労働者は、通常、交通法規を遵守しつつ自転車で託児所に子を預けてから職場に行っていたが、この日は、大雨であったためタクシーに乗っていた。タクシーの経路は、自転車のときとは違っていたが、車であれば、よく利用される経路
あった。この場合は、通勤災害と認められる。 ○

通勤に当たるか否かを問うこの問題の並び、またなんだかまどろっこしいイレギュラーな時を想定いています。合理的な方法については、鉄道、バス等の公共交通機関を利用する場合、自動車、自転車等を本来の用法に従って使用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる交通方法は平常用いているかどうかにかかわらず、一般に合理的な方法となる。通常はチャリ、大雨だからタクシー、自転車の時とルートは違うけど、一般的な車でなら通る道、合理的な経路および方法によって通勤しているからOK、通勤災害に認められます。

B 腰痛の治療のため、帰宅途中に病院に寄った労働者が転倒して負傷した。病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、負傷した場所はその病院から駅に向かう途中の路上であった。この場合は、通勤災害と認められない。 ○

これ、労災・通勤災害に認められないってオニだよね、と思った方いません?

駅の反対側の病院への通院はリスキーと言う事例、通常の通勤経路に復する前の転倒、負傷は通勤災害に認められないと言う厳格な扱いの出題でした。こういうケースであれば、怪我した時の状況等(救急搬送されたかとか)によりますが、駅のこっち側まで戻ってから転倒したってことであれば、通勤災害になりますよ、と入れ知恵する人とかも出てきそうですよね…良いか悪いかは於いておいて、要はそういうことです。

C 従業員が業務終了後に通勤経路の駅に近い自動車教習所で教習を受けて駅から自宅に帰る途中で交通事故に遭い負傷した。この従業員の勤める会社では、従業員が免許取得のため自動車教習所に通う場合、奨励金として費用の一部を負担している。この場合は、通勤災害と認められる。 ×

これは教習所言った時点でもうアウトです。自動車免許取得の奨励金ではダメ。免許取る必要があって会社の命令に於いて取りに行かせたならOKになります。

D 配偶者と小学生の子と別居して単身赴任し、月に 1 ~ 2 回、家族の住む自宅に帰っている労働者が、 1 週間の夏季休暇の 1 日目は交通機関の状況等は特段の問題はなかったが単身赴任先で洗濯や買い物等の家事をし2日目に家族の住む自宅へ帰る途中に交通事故に遭い負傷した。この場合は、通勤災害と認められない。 ○

往復又は移動が業務と密接な関連をもって合理的に行われることが必要ですので、1日目に交通の状況的に非常に混雑するなどの理由(合理的な理由となれば)で2日目に移動するなら認められます。就業日の前翌日・終了後翌日までに行われ帰省の移動について、就業との関連性が認められることになっています。今回の設問では、交通状況的に特段の問題なく、1日目に単身赴任先の溜まった家事やって、自己都合で2日目に自宅に戻るのは単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動を、合理的な経路及び方法により行うことには当てはまらないってことです。業務終了後そのまま帰省するくらいじゃないと認められないってことです。

E 自家用車で通勤していた労働者Xが通勤途中、他の自動車との接触事故で負傷したが、労働者Xは所持している自動車運転免許の更新を失念していたため、当該免許が当該事故の 1 週間前に失効しており、当該事故の際、労働者Xは、無免許運転の状態であった。この場合は、諸般の事情を勘案して給付の支給制限が行われることはあるものの、通勤災害と認めら
れる可能性はある。
 ○

移動の手段が違法だったとしても、通勤災害と認められます。

というか、問題文がなんだか弱気な表現で通勤災害と認められる可能性がある、とかなんだか濁されててイヤよね。 諸般の事情を勘案して給付の支給制限が行われるとか、なんだか上級国民への忖度を感じさせる言い回しですね。後味悪いけど、補償されるって事です。

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