令和3年 労基 第7問・就業規則関連 解答解説

労基

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R3 問7 就業規則

労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働基準法第 89 条第 1 号から第 3 号までの絶対的必要記載事項の一部を記載しない就業規則も、その効力発生についての他の要件を具備する限り有効であり、使用者は、そのような就業規則を作成し届け出れば同条違反の責任を免れることができるが、行政官庁は、このような場合においては、使用者に対し、必要な助言及び指導を行わなければならない。

B 欠勤(病気事故)したときに、その日を労働者の請求により年次有給休暇に振り替える取扱いが制度として確立している場合には、当該取扱いについて就業規則に規定する必要はない。

C 同一事業場において当該事業場の全労働者の 3 割について適用される就業規則を別に作成する場合、当該事業場において当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数で組織する労働組合又は当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数を代表する者の意見を聴くことで、労働基準法第90 条による意見聴取を行ったこととされる。

D 就業規則中に懲戒処分を受けた場合は昇給させないという欠格条件を定めることは、労働基準法第 91 条に違反する。

E 労働基準法第 91 条にいう「一賃金支払期における賃金の総額」とは、「当該賃金支払期に対し現実に支払われる賃金の総額」をいい、一賃金支払期に支払われるべき賃金の総額が欠勤や遅刻等により少額となったときは、その少額となった賃金総額を基礎として 10 分の 1 を計算しなければならない。

E

一肢ごとの詳しい解説

A 労働基準法第 89 条第 1 号から第 3 号までの絶対的必要記載事項の一部を記載しない就業規則も、その効力発生についての他の要件を具備する限り有効であり、使用者は、そのような就業規則を作成し届け出れば同条違反の責任を免れることができるが、行政官庁は、このような場合においては、使用者に対し、必要な助言及び指導を行わなければならない。 ×

就業規則を過半数の意見を聞いて届出して周知させれば有効ではある、だがしかし、絶対的必要記載事項の漏れがある場合は、作成を果たしたとは言えず、罰金:30万円以下の罰金の対象になり得ます。現実的には絶対的必要記載事項の記載漏れはすぐに指摘受けたり、と言うかすぐに電話着たりしたりしてすぐに修正することになりますけどもね。放置したら罰金食らうかもしれません。

B 欠勤(病気事故)したときに、その日を労働者の請求により年次有給休暇に振り替える取扱いが制度として確立している場合には、当該取扱いについて就業規則に規定する必要はない。 ×

制度として確立している場合には就業規則に記載しなくてはいけません。すべての労働者に適用される慣習もそう。

C 同一事業場において当該事業場の全労働者の 3 割について適用される就業規則を別に作成する場合、当該事業場において当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数で組織する労働組合又は当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数を代表する者の意見を聴くことで、労働基準法第90 条による意見聴取を行ったこととされる。 ×

全労働者の一部の人を対象にした就業規則を作る、例えばパート・アルバイト向けの就業規則を作るケースであっても、全労働者の過半数代表の意見を聞く必要がある。ちなみに意見を聞けばよいので、聞いた意見を反映する必要は無いので、実質的に作成者の意図の通りになるっちゃなる。

D 就業規則中に懲戒処分を受けた場合は昇給させないという欠格条件を定めることは、労働基準法第 91 条に違反する。 ×

降格などによる賃金の低下は減給制裁に該当せず。ただ、業務内容変わってなくて実質的に肩書き変わるだけで職務の範囲・責任など変更無いのに賃金を低下させるのはNGです。

E 労働基準法第 91 条にいう「一賃金支払期における賃金の総額」とは、「当該賃金支払期に対し現実に支払われる賃金の総額」をいい、一賃金支払期に支払われるべき賃金の総額が欠勤や遅刻等により少額となったときは、その少額となった賃金総額を基礎として 10 分の 1 を計算しなければならない。 ○

減給の制裁、ブラック企業によくある天引きでのペナルティを与える場合など、月毎に変動あったとしたら、その月の賃金の10分の1以下にせねばならないってことです。制裁として賞与から減給することも出来て、同じく制裁による減給額が10分の1を超えてはいけない(10分の1以下)ということになります。

ちなみに1回の額が平均賃金の半額を超えてはイケない、というルールも合わせてあるのですが、どうしても天引きしたいブラック経営者は複数回にカウントして何とかして10分の1にしつつ、10分の1を越えるペナルティを搾り取りたい場合には何とかして翌月以降に繰り越して処理するなど、代表の執拗なペナルティへの執念がにじみ出ることも見かけます。

5万円ペナルティ食らわせたくて、30万の基本給の人だとすると、平均賃金1万円としたら、1回としては、平均賃金の半分なので、5000円。では今月のペナルティは5000円と思いきや、とりあえず10回減給事由に該当したとなり、とりあえず今月3万のペナルティ、来月2万のペナルティとなります・・・1日当り5000円の損失となった、とか後付でけっこう詰めてきたりするので、病む人は病んだりします・・・過失だったり事案によりますけども、会社or代表は責任を取らず個人や管理職に押し付けるパターンはある。

ペナルティ体質の業種、職場はあまり雰囲気が良くないです。責任の押し付け合いをしたり、代表が常に誰かにペナで責任を取らせようとするので、居心地が悪くなります。一朝一夕に凝り固まった経営者の考え方はアドバイスとかでは変えられない、そういう気配を感じたら、そっと転職サイトを開いたほうが良いかもしれません。

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