令和3年 労基 第2問・労働契約など 解答解説

労基

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R3 問2 労働契約と有給

労働基準法に定める労働契約及び年次有給休暇等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


A 労働基準法第 14 条にいう「一定の事業の完了に必要な期間を定める」労働契約については、 3 年(同条第 1 項の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、 5 年)を超える期間について締結することが可能であるが、その場合には、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかであり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要である。

B 労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」について、労働者にとって予期せぬ不利益を避けるため、将来就業する可能性のある場所や、将来従事させる可能性のある業務を併せ、網羅的に明示しなければならない。

C 労働基準法第 17 条にいう「労働することを条件とする前貸の債権」には、労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融や賃金の前払いのような弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものも含まれる。

D 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見聴取をした上で、就業規則に、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる旨を記載し、当該就業規則を行政官庁に届け出ることにより、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる。

E 労働基準法第 39 条に従って、労働者が日を単位とする有給休暇を請求したとき、使用者は時季変更権を行使して、日単位による取得の請求を時間単位に変更することができる。

A

一肢ごとの詳しい解説


A 労働基準法第 14 条にいう「一定の事業の完了に必要な期間を定める」労働契約については、 3 年(同条第 1 項の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、 5 年)を超える期間について締結することが可能であるが、その場合には、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかであり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要である。 ○

同条第 1 項の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては5 年 と言うのは、専門家が専門的な業務に就くケースの事。

完成まで長期の土木工事などが当てはまりそうですが、有期事業であることが客観的に証明できると言うのは結構ハードル高くて、実態としては結構微妙。有期契約はなんとか無期転換させ、社員にさせたいというのが国の狙いですが、結局雇い入れよりも請負契約でやっちゃうってのも多くなってる気がします。なので請負契約に当たるか、みたいな問題も出てたりしたような…

B 労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」について、労働者にとって予期せぬ不利益を避けるため、将来就業する可能性のある場所や、将来従事させる可能性のある業務を併せ、網羅的に明示しなければならない ×

テキストにあまり載っていない表現のような?イヤらしい問題だわ。労働契約締結時にはそこまでやらんで良くて、転勤の可能性の示唆だったり、異動だったら辞令でとかですね。

C 労働基準法第 17 条にいう「労働することを条件とする前貸の債権」には、労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融や賃金の前払いのような弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものも含まれる。 ×

身分的拘束を伴わないモノは含まれない。労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならないという定義、労働者に働くことを条件に金を前貸しして、労働を強制したり、退職を妨げたりすることが問題なので、拘束しなければよいってことです。

D 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見聴取をした上で、就業規則に、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる旨を記載し、当該就業規則を行政官庁に届け出ることにより、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる。 ×

それっぽい言い回しでダメなことをしている。面前で若手社員が人事の人にまくし立てて言われたら、何となくそれっぽいことを言っているから違法ではない、と勘違いしそうな案件。「就業規則にあるからみんな天引きで積み立てをしている、労基に届け出もしているから。」とか。労働契約で各個人との同意のもとで会社天引き積立貯金をやらなくてはいけません。

「社員旅行積立金だから」 と勝手に天引きもだめ、預かるだけ預かって利子も付けないのもOUT!やるからには厳密にやらないとダメです。勝手に天引きとかしている会社、たまにありますが、労基に刺されます。

E 労働基準法第 39 条に従って、労働者が日を単位とする有給休暇を請求したとき、使用者は時季変更権を行使して、日単位による取得の請求を時間単位に変更することができる。

日単位の有給は時間単位に変更は、使用者による時季変更権で強制的に変えるという事は出来ません。お願いベースで変更を打診することは出来なくもないですが、

「予定があるので1日しっかりやすみます。午前中だけ出るとかも無理です」 と断ってもいいやつです。

オーナーが 「これは命令だ!午前出ろ!」 って言ったらアウトです。そういう時にはでは、そもそもの有給の日を他の日に変えるしかない、普通の別日に変える時季変更権はあるっちゃあります。

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