ブラック経営者?タイミー出勤3分前のスタッフを帰らせた話を労基的に考察してみた

労基

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最近X(旧Twitter)でバズったこんなポストがありました。

タイミーさんが出勤3分前に来るというナメた態度だったので帰ってもらった。
着替えとか入れると15分前には来ないと開店時間に間に合わないのがわからんのか」

この投稿に対し、コメント欄では「正しい」「甘い」「ブラック経営者すぎる」など賛否両論。
では、このケースを労働基準法の観点から冷静に見てみましょう。

社労士試験のネタ的にも面白いですし、こういう時事的なところにガンガンツッコミを入れられるようになりたいものですね。


そもそも「労働時間」とは?

労働基準法では、使用者の指揮命令下に置かれている時間はすべて労働時間にあたります。
つまり、着替えや開店準備が「業務上必要」で、会社側が事実上強制しているなら、その時間は労働時間に含めるべきです。

  • 出勤3分前に来て業務開始 → OK。ではないかな・・・?(ギリギリだが労基法的にはダメかな)タイムカードを押すのが先で、3分についても労働時間ですね。
  • 「15分前に来い」と指示し、無給で待機・準備 → NG(アウト!)

「自主的に早く来てね」は本当に自主的か?

会社側が「開店に間に合わせるために15分前に来ないと困る」と言っている時点で、それは事実上の業務命令。
労働契約上の拘束がある以上、労働時間としてカウントしないと違法です。

裁判例でも社労士試験の過去問なんかでも「着替え」「清掃」「準備作業」が使用者の指揮下にある場合は労働時間とされています。
(例:更衣が必須で会社内でしかできない場合 → 労働時間)

ちなみに、タイミーの雇用形態は派遣ではなくワンタイムの直接雇用です。

タイミーでの雇用契約は、働き手であるワーカーと求人を出している事業者(企業)との間で直接結ばれます。タイミーは、労働者派遣のような仲介をするのではなく、企業とワーカーの間に立つプラットフォームの役割を担っており、この雇用契約が派遣サービスと大きく異なる点です。労働契約は、ワーカーが求人へ申し込みを完了した時点で解約権留保付きで成立し、各求人には労働条件通知書が添付されており、ワーカーはアプリのマイページから確認・同意することになります。


「帰らせる」行為はパワハラ?

今回の経営者は、出勤してきたタイミーのスタッフを「態度が悪い」として帰らせています。
しかし、労働契約が成立している以上、一方的に「帰れ!」とするのはトラブルの火種。

  • 契約上のシフトがある → 使用者都合の解雇・労働拒否になり得る
  • 実際に来ているのに働かせない → シフト分の賃金を払わなければアウト

つまり、タイミー経由での労働契約でも事業主都合で帰らせるなら事前に知らせた通りの「賃金は保証する」必要が出てきます。


ブラック企業にありがちな「開店前タダ働き」

飲食・小売業界ではよくある慣習ですが、

  • 開店30分前に集合して清掃
  • 制服に着替えは更衣室で(無給)
  • レジ点検や仕込みは「気持ち」

これらは労基的に全部「労働時間」です。
「気持ち」ではなく「賃金」で報いるのが当然なのです。

社労士試験でも手待ち時間や事前の準備についての論点は良く出ますので、要チェックです。


まとめ:労基的にアウト!

今回の「出勤3分前→帰らせた」ポストから見えるのは、

  1. 「15分前に来い」は事実上のタダ働き要求
  2. 帰らせたのに賃金未払いなら完全に違法
  3. ブラック体質を堂々とSNSで公言してしまう危うさ

労基法を無視した慣習を続けていると、すぐに「ブラック認定」され、求人にも悪影響。
「気合」や「常識」で労務管理をするのはもう時代遅れです。労務管理のプロである社労士さんが助言してあげるのがベストです。労基署がやってきて業務に大きな支障が出る事でしょう。


今回の事例を参考に、社労士試験の勉強の弾みにしましょう。

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